REFORESTATION

古来より伝統は自然との成り立ちにより受け継がれてきました。
しかし、自然の荒廃により、伝統や文化を受け継ぐことも困難となってきています。
例えば、五山の送り火で使われるアカマツは、古来より京都三山のほぼ全域がマツ林であったことからアカマツの供給が潤沢にありました。また、三山の山の風景であったアカマツを庭園の借景として取り込み、庭園樹としてアカマツが多く植えられてきました。しかし、人が山に入らなくなったため、病害虫の影響から多くのアカマツが枯死し、伝統行事に使用されるアカマツの材料不足が生じています。そのため、かつては五山の送り火で使用する割木は京都三山から使用していましたが、現在では調達が困難な状態です。
以上から、自然を守り京都三山ならではのアカマツの風景を再生し、伝統や文化を守り、引き継ぐことが急務となっています。

京都三山のアカマツ林の再生は、伝統と文化をまもる生命線

アカマツ林を再生し、材として活用できるアカマツに育てるには長い年月(約30~50年)が必要です。 長い年月を維持するには、ボランティアグループ等に維持管理を委ねるのではなく、「伝統を守る、伝える」という観点から、地域の子供たち、そして若い世代の親に担い手として参加して頂くことを目標に体制づくりを構築していく必要があります。 継続的なアカマツの維持管理は上記の「人手不足」の他にも、「運転資金の確保」「若い世代の伝統意識の啓蒙」等の課題をクリアしていく必要があります。

【京都でのアカマツ林の現状と再生への手順】

1. 荒廃した現況

京都三山でのアカマツの現状。アカマツが枯死し、ソヨゴが優占する植生に変わりつつあります。

2. 植樹及び維持管理活動

植樹した苗をシカの食害から守るため、防鹿柵を設置した後、定期的な維持管理を必要とします。

3. 未来図(30~50年後)

アカマツの生長は30~50年掛ります。コバノミツバツツジが彩るマツ林の再生を目指します。

京の夏の夜空を彩る 五山送り火は、盆の翌日の8月16日に行われる仏教的行事で、松明の火を空に投げかけて虚空を行く霊を見送る風習とされています。

五山とは、東山如意ケ嶽の「大文字」、金閣寺附近の大北山(大文字山)の「左大文字」、松ケ崎西山(万灯籠山)と東山(大黒天山)の「妙法」、西賀茂船山の「船形」、上嵯峨仙翁寺山(万灯籠山・曼荼羅山)の「鳥居形」の5つを指します。
しかし、京都の代表的な伝統行事であるものの、近年、松枯れ被害や山の放棄により、五山送り火に活用する4000本相当のマツ割木の確保が難しくなっています。

本プロジェクトは定期的に何かを開催するだけの趣旨のものではありません。
現在も平行しておこなっている主催者の森林環境教育を発端に、「五山のアカマツ林再生」をテーマのもと様々な地域の人々や公的機関、団体をまきこみ、数々のアクションを連続して、そして継続して行うことを目指し、それらがすべてテーマに再び集約されることで。京都の大きな伝統のひとつである五山の送り火の本来のかたちを守っていこうとするものです。